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70代の男性数人が、ある家に集って数日間過ごした。
その家は彼らが20代の頃の様子そのままに設えてあった。
家具調度品、壁紙、飾ってある写真、キッチン用品にいたるまで。
着ている服もBGMも食事も•••タイムスリップしたかのようだ。
彼らは20代に戻ったかのように語らい、ゲームに興じ、歌い、踊って過ごした。
すると•••
身体的な数値が驚くほど良くなっていた。
つまり、若返っていたのだ。
見るもの、聞くもの、ファブリックの感触や、料理の味や香り。
カラダの細胞たちは50年前の様子をおぼえていたのかも知れない。
その時活躍したのは、五感。
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚。
これらの感覚が、からまるように重なるように連携して
いろんな変化を起こしたり惑わしたり。
「ライナスの毛布」
何かきまったものに安心感を得ること。
同じ模様、同じ感触、同じ匂い。
そういった感覚が癒やしをもたらす。
元気がなくなると美術館めぐりをする友人がいる。
彼女は視覚から、なにか特別なエネルギーを得ているのかも知れない。
私は、男の子の坊主頭の感触が好きだった。
息子たちが幼い頃、ザリザリした頭を撫でるのが楽しかった。
10代、20代の頃に好きだった音楽は、元気をくれる。
古民家や骨董品屋さんをめぐっていると
おばあちゃんちの匂いに出会うことがある。
なんでも言うことを聞いてくれた優しいおばあちゃんの思い出がよみがえって
肩の力がふっと抜けたりする。
なにが自分を元気にしてくれるのか。
なにが自分を癒やしてくれるのか。
それを知っていると、不思議なエネルギーを補充できる。
見つけるヒントは、
大好きなもの。