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春は「出会いと別れの季節」と言うけれど
「別れと出会いの季節」のほうが順番として妥当だと思う。
持っているモノを捨てなければ
新しいモノは訪れない、とも言われているから
やはり「捨てる」のが先なのだろう。
モノって、気づかないうちに増えていく。
澱のように積もっていくのだ。
モノに埋もれて身動きできなくなる前に捨てなくっちゃ、と
なかば脅すように自分に言い聞かせる。
曰く、いつか使うかも知れないものは一生使わない。
曰く、1年間着なかった服は2度と着ない。
曰く、好きじゃないモノに囲まれていると運も気力も落ちる。
「起きて半畳、寝て一畳、天下取っても二合半」
と言うように、そんなに多くは必要ないらしい。
ならばいっそのこと、捨ててしまえ。
どれほど多くのモノがあっても寂しいときは寂しいし
どんなに辛くてもモノに救われることなどない。
いつでも、自分を幸せにするのは自分だし
不幸にしてしまうのも、自分なのだわ。
風通しを良くするために
つまづいて転ばないように
大好きだよ、と言えないモノは
捨てていい。