危険なほどの暑さで、溶けたようになりながら
たどりついた自宅のポストには
いつもと違った形の郵便物があった。
年に一度だけ届く友人からの手紙。
幾枚かの紙を張り合わせた台紙に、
イラストが描かれていたり、切り紙が貼り付けられていたり、
色鉛筆で塗られていたり、ラメが散りばめられていたり・・・
HAPPY stretchy BIRTHDAY For Ya !
今年はストレッチに励めということか?
と、毎年変わるメッセージに思いをめぐらせる。
白い無地の紙に色鉛筆で横線を書き込んだ便箋には、ウチのサイトの改良点などが書かれていた。
よく見ると、それぞれの線は、青と水色、ピンクとオレンジ、黄色と黄緑色、などの組み合わせで
手作り感満載。
その便箋は、いたるところに桜の切り絵が散りばめられていた。
もちろん、封筒も手作り。
だから定形ではない。
オウムの形をした封筒だったり、ネコだったり。
よく届いたと感心するよ、郵便屋さんありがとう。
それにしても、彼女はこれらを作るのに、いったいどれくらいの時間を費やしたのだろう。
切り絵のモトになる絵を描き、色とりどりに彩色し、切り取って配置して貼り、
猫のモフモフ感が出るほど丁寧に描いて塗って、ラメをちりばめ、手紙を書く。
あなたのウェブサイト、こんな風にしたらどぉかなぁ?
と、イラスト解説までつけてくれている。
アメリカ人っぽい感覚が新鮮だわ。
息子たちがバスケットボールに夢中だった頃は、NBAの記事を切り抜いて送ってくれた。
ずっしりと重い荷物が届けられた時は内心、息子たちにとって最高の英語教材だとほくそ笑んだ。
そして、
それをほとんど毎日のようにスクラップしてくれていたことが、日付から分かった。
彼女はウチの息子たちを「王子サマ」と呼んでくれる。
その王子サマも、すっかりオッサンになったよ。
あなたの英語教材のおかげで、息子たちは英語が得意(バスケ用語限定)
誕生日を祝ってもらえることの喜びと幸せを
毎年、彼女のカードでかみしめている。
1週間前に届く便りで、自分の誕生日を思い出すこともあった。
この世界の片隅に、
私のことを忘れないでいてくれる人がいるってことを教えてくれるのが
誕生日。
おぼえていてくれて、ありがとう。